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法人成りのメリット・デメリット
 

法人成りにより考えられるメリットを下表にまとめてみました。

1.

税率が所得税では超過累進税であるが、基本的に法人税は比例税率である。

2.

個人企業では事業主報酬は原則として認められないが、法人の役員報酬は損金となる(ただし、同族会社の役員については注意が必要です)。

3.

 

 

同一生計内の親族に対して支出する金額は、個人企業では原則必要経費と成らない。が、

法人の場合は、給与、個人所有の不動産の賃貸料その他の支出が損金になる。(青色専従者給与は一定の範囲内で必要経費となる)

4.

 

法人契約の生命保険(受取人も法人)に加入でき支払保険料が経費処理できる。

法人は、役員退職金の支給が可能で、退職金準備のために上記の生命保険金を活用することができる。また、実際の退職金支給額を一定の条件の下経費に落とせる。

5.

 

 

個人企業では、事業主に所得及び財産が集中するが、法人化により株式(出資)に変わることにより持分が親族間に分散され、事業承継・相続対策として重要である。たとえば、経営者の世代交代は、法人ではその役員の交代により容易に行える。個人企業では、父から子への世代交代は、贈与と見なされ贈与税が課税される。

6.

個人事業に比べ、世間の信用が向上する。

7.

 

資本金が1000万円未満であれば、法人成り後2事業年度は消費税が免税となる。→消費税のページ

8.

社会保険の制度に加入でき、従業員を採用し易くなると共に、将来(老後)の公的年金を蓄える事ができます

 

法人成りによるデメリットを下図にまとめてみました。

1.

個人では交際費の損金算入限度額の制度はないが、法人には交際費の損金算入に一定の限度額がある。

2.

赤字決算でも、住民税の均等割り負担がある。(資本金1000万円以下の法人で年間7万円)

3.

定期的に役員変更登記が必要(登記費用の発生)

4.

社会保険に加入すると、健康保険・厚生年金保険料などの社会保険料負担(会社と個人で折半)が増える。

 

この法人成りにあたって、注意すべき点をいくつか次に説明します。

(1)

個人の事業資産を会社へ引き継ぐ時の価額
 個人事業の資産・負債を会社へ引き継ぐには、現物出資による方法と、会社設立後に個人からその事業資産を買い取る方法があります。
 いずれの方法でも引き継ぐ資産の評価の問題が生じます。古くから所有している土地であれば薄価は安くても時価は高いでしょうし、いわゆるバブルの時期に取得したものであれば薄価が高くても、時価は安いでしょう。減価償却資産は、個人事業の時は原則として定額法による償却であるために、時価より薄価の方が高くなることが多いでしょう。現物出資であれ買い取りであれ、このように個人の事業資産を帳簿価額のまま引き継ぐには問題があります。したがって、個人の事業資産を会社へ引き継ぐ時は、時価で引き継ぐべきです。

(2)

不良資産を引き継がないこと
 不良資産(不良債権)を引き継いで会社において貸倒処理をしても損金算入は認められません。この場合、個人に対する経済的利益の供与(役員賞与)となります。
 個人事業者の廃止後に発生した損失及び費用は、当該損失及び費用が生じた日の翌日から2ヵ月以内に所得税の更正の請求ができます。

(3)

会社が個人事業に関する費用を負担しないこと
 使用人に対する給料、賞与、退職給与は、会社設立の日の前日までのものを支払っておくか、未払金として法人に引き継ぐこと。ただし、退職給与については法人設立後、相当期間経過後に退職する従業員の退職給与は、支給した額を法人の損金に算入することができます。

(4)

会社と個人の間で不動産賃貸借や金銭消費貸借がある時には契約書を作成し、その内容を明確にしておくこと。

(5)

引き継いだ減価償却資産は、時価を会社の取得価格とし、中古資産の耐用年数を見積もって償却すること。

(6)

営業権は、個人事業が超過収益力を有していて相応の価値がある時、会社が個人に対して対価を払って引き継ぐことができます。ただし、対価の額と比べて営業権の価値が低い時には、資産の高価買入となりその差額が個人に対する経済的利益の供与(役員賞与)と認定されることになります。

(7)

個人が法人成りして個人事業を廃止した場合、廃業届を1ヶ月以内に税務署に提出します。そして、その年の1月1日から廃業の日までの損益は翌年3月15日までにその他の所得と一緒に確定申告をします。設立した法人の第1期の決算は、法人設立日から定款で定めた決算日迄です。したがって、法人設立日(会社の場合は設立登記の日)前の損益は個人事業に帰属、法人設立日以後の損益は法人に帰属と明確に区分しなければなりません。

 

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